沿革・現況
『農産物漬物の安全確保マニュアル』第1回研修会
組合員向け『水茄子漬登録商標』の説明会も

 大阪府漬物事業協同組合(黒田隆喜理事長)では、2005年3月18日午後1時から5時にかけて、『農産物漬物の安全確保マニュアル』及び『大阪府漬物事業協同組合員向け水茄子漬登録商標』説明会を大阪市中央卸売市場管理等3階会議室で開催し、約60名が出席した。

 初めに挨拶に立った黒田隆喜理事長は「食への不安が高まるなか、一昨年、国レベルで食品安全基本法が制定された。地方自治体においても法律の整備や制度の確立が進められている。大阪府でも平成15年12月に食の安全確保マニュアル作成の手引きを完成させ、各食品団体に配布して、作成を呼びかけてきた。大阪府漬物事業協同組合ではいち早くマニュアル作成に着手して、1年以上をかけて、今回完成をみた農産物漬物の安全確保マニュアルを作成した。本年1月12日に食品流通安全システム構築委員会の承認を受けた。大阪府では生菓子組合に次いで第二号の認可となった」挨拶し、農産物漬物の安全確保マニュアルの完成に感謝の意を述べた。

 次に大阪府環境農林水産部流通対策室企画総括太居豊氏が挨拶に立ち、「学識経験者、経済界、消費者団体の方々に委員になっていただき、安心安全システム構築委員会を作り、モデルマニュアルをつくり、各業界団体が作成したものを審査してもらっている。こうした取り組みにより食の安心安全に努めていきたい」と話した。

 続いて、大阪府漬物事業協同組合員向け水茄子漬登録商標の説明に移り担当の谷野清孝副理事長から詳細な説明があった。谷野副理事長は「数年前からEマークが府から認可されているが、大阪府漬物事業協同組合員以外も使えるようになっている。組合員外でEマークを取得している会社が10社前後ある。組合に入会を勧めているが、芳しい返事をいただけない。我々としては組合独自のマークをつくろうということになり、大阪府漬物事業協同組合員に対しての商標登録をとった。(商標登録第4810597号、登録日平成16年10月15日)。使用料は無料。ただし、マークのシール代等は各自持ち。使用申請書を予め府漬協に提出し、審査を経て、組合から許可書が発行される。有効期間は2年。3Eマークとほぼ同等の審査基準だが、添加物ではキトサンの使用を認めるなど、実勢に即した内容になっている」との説明があった。  

 続いて、農産物漬物の安全確保マニュアル担当でマニュアル作成委員会委員長の松下正雄担当副理事長から各委員が紹介されるとともに、経過、・基本的な考え方が次の通り説明された。

 ■350冊を作ったが、全てにナンバーリングし、200部が大阪府の組合員(1社2冊ずつ)に配布されたが、どの組合員にどのマニュアルという記録が残っている。残りのうち100冊は全漬連を通して、各都道府県単協に送られる。残り50部のうち5冊を大阪府に渡し、残り45冊を組合で保管しているが、これは新しい組合員用で余分のマニュアルは無いので大切に保管していただきたい。配った2冊のうち番号の若いほうが、府の食産協に申請をして合格した場合の正式マニュアル書となる。合格すれば承認ナンバー、年月日、承認印を押す。これらが押されて初めてマニュアル書は有効になる。区分は第一版になっているが、変更になった場合は第2版となり作成年月日が変わる。新しいページの部分だけを送るので、皆さんのほうで差し替えていただきたい。これから法令がどんどん変わっていくと思う。

 ■平成15年7月に食品安全基本法という法律が施行された。安全基本委員会は内閣府の担当だ。食品安全担当の大臣も指名されている。
 これに合わせて食品衛生法が変わった。事業者の責務が取り決められる中で記録の作成及び保存が義務付けられた。食の安全について問題が起きた場合、事業者の責務として記録を残していることに基づいて、トレサビリティーを行い、迅速な商品の回収及び被害の情報を関係部署及び消費者に知らせるなどが書かれている。こういう法規があるのだということを認識して貰いたい。

 ■国の出した食品安全基本法は国の責務、地方公共団体の責務、食品関連事業者の責務、消費者の役割を定めている。地方公共団体の責務により全ての都道府県で県民の安心安全に取組み始めた。大阪府も同じ。国、地方公共団体の責務は我々事業者の食品製造、販売が安全か否かを監視することと必要な施策をとる。何かあれば速やかに回収して、被害を最小限にとどめるのが我々事業者の責務になる。
 東京都は食品安全ネットフォーラム、大阪府は食の安心安全推進委員会が府庁内にあり、オール大阪では食の安全府民会議を平成15年に設置し、知事を先頭に大阪府、食産協、消費者団体なども参加している。行政内でも横断的な役割の安心安全推進委員会を設置している。東京都は条例化の方向で動いた。東京都食品安全条例が昨年の4月に施行された。
 大阪府の場合は特別なケース。行政が進歩的な考え方で、それぞれの食品の団体で自主的に食の安心安全マニュアルをつくらし、行政の審査機関において承認された場合はそれを使って良いとなった。
 例えば行政が漬物の衛生規範を元に条例化すれば、できないような厳しい内容が含まれる。やらなければ法律違反で回収にまでなる。

 ■平成15年12月に府からマニュアルづくりの話があった。組合3役は全漬連とも相談しながら、方向性を検討した。法律の範囲内で我々組合員に意欲があればクリアできるような内容を目指し、作成に着手した。
 昨年、理事会で承認を得て、16年の総会で事業計画に盛り込んだ。特別賦課金をいただいてこのマニュアルが完成した。見方によっては非常に厳しい内容のマニュアルだし、事業所によっては、甘い内容だと思われるだろう。組合員さんができるだけ取り組める形を目指した。全漬連を通じて各県に2冊ずつ送られており、他府県さんに於かれては、マニュアル書を参考にしていただきたいと申し上げている。

 続いて内容の説明移った。浅漬担当委員の林野雅史氏から説明がなされ、頁ごとに質問を受ける形式がとられた。

 
大阪府漬物事業協同組合